マリの毎日
「……うえ"っ……!?」


言葉にならない思いは、奇声となってルイコの口から飛び出ました。


「ワリ……だって、あんたは、あた……あたしのこと……」

「ルイコ……お前がいつも、ヨシのこと見てたから。お前と俺が別れた時も、原因はヨシだった。俺はヨシのことを憎みたかったけど、親友、だから、そんなことはできなかった。
俺はこいつのいいところを知ってる。ルイコが好きになるのも仕方ないって思う。
だからやっぱり、ルイコが見てるやつのことを、ずっと見てたら……好き、になってたんだ(●`M´●)!」


なんかいいことっぽいこと言ってるのかと思ったら……それは違う、ワリ。
誰か、気づかせてあげて……!


(ちょっと待てよ! 俺は、どんだけ好かれるんだ!?)


頭が混乱中の勘違いヨシくん。

マリもルイコも、それぞれ頭の中で今この受け入れがたい状況を整理しています。
すると耐えかねたワリが。


「俺は本当にヨシのことが好きだーっ!」


がばっ、とワリがなんとまあヨシくんに抱きつき、周りは目が点に。


「おい、お前、ちょっと! やめろーっ」

「好きだーっヨシ!」

「…………」


もともとは一応イケメンという設定のお2人の抱擁シーンですが、マリルイは発する言葉も見つかりませんでした。

その後ろで、先ほど逃げ出したキノはカメラを構えておりました。


(よし……シャッターチャンスだ! これは盛り上がるぞ……)


言葉通りシャッターをきり、キノは走り去りました。

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