マリの毎日
やはり3人はワリに視線を向けています。

やっぱり、ルイコもいるんだもん。(一応)好きな子がいるわけですよ。その中に。
ワリくんも拒否するわけにいきません。

さあ、意を決して口を開け。見習えヘタレ。


「……すいません。俺たち、俺たち……」


寝坊したんです。


「……い、犬のお墓に行っていて……」

「……は……?」


ワリの口から飛び出た言葉に3人は仰天。そんな資格はないと思いますが。


「な、何!? 犬の……おぉ……」


ワリのでまかせにまんまと引っかかった様子の会長。


「よし! 4人、特別に棄権を取り消そう!」

「え!?」

「やったーっ!」

「その代わり、ちゃんとお墓参りはするんじゃぞ!」


謎に犬好きだった会長。
ワリが機転を利かせたおかげで、4人は無事出場することができましたとさ。

何せコメディですから。




やがて開会式が始まりました。

4人の手に、ドロー(対戦表)が配られます。


「ぐげっ……」


鶏の断末魔のごとき声を上げたはルイコ。


無理もありません。マリルイの対戦相手は、鈍竹テニススクールのペアでした。
ななななんと、去年の準優勝ペアではありませんか……!


「ぐぼっ……」


血を吐いていてもおかしくないような効果音を発するはワリ。


ヨシワリのペアは、OPPテニススクールのペア。
なお悪いことに、こちらのスクールは去年、男女共に優勝ペアを排出していました。


当然その事実を知っている4人は愕然としました。

日頃の行いが悪いんじゃないすか?
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