マリの毎日
「マリ……あんた今更……」


顔を引きつらせるルイコと、ほっと胸を撫で下ろす相手。
言われた通り、チェンジサイズです。


「ルイコ……ごめん」


ごめんで済めばケーサツは要らないって言葉、ご存知ですか。


「……済んだことじゃない。次はサービス。挽回よ!」


ルイコの微笑みに安心するマリ。

あらルイコったら偽善者ぶっちゃってとでも言ってやりたいところですが、一応青春・友情ものというジャンル分けに免じて引っ込めときましょう。

と、書いたこと忘れて作者ジャンル分け変更しちゃってました。現在はコメディのジャンルです。
逆に最初、青春・友情で登録してたことがシンジラレナーイ。


(よーしっ! 挽回!)


「ゲームカウント0-1」


審判の声と同時にトスを高々と上げるルイコ。

その時……!


「ふっ……ふえっ……」


ええーっ! ルイコは、花粉症なのでした。よりにもよってこんな時にくしゃみが襲って来たのです。


「ふっ……ぐじょいっ!」


ズビシッ!


「えっ……ええっ!?」


初セリフの姫。

ルイコのボールはまぐれで魔球と化し、物凄い跳ね方をしました。


「ひらめいた……」


ずずっと洟をすするルイコ。


「マリ! 力一杯バック打ってやれ! あんたのバックハンド、超きれるから!」

「え……」


複雑な気持ちのマリちゃん。





※きれる:バウンド後それまでの進行方向と別の方向にボールが進むこと。

ドライブなどもありますが、大抵あまりうまくないひと(例:マリ)がバックで打つと、ボールはきれてしまいます。

一般的にバックがきれなければ喜びます。私の部活では。それ一般的じゃないか。
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