マリの毎日
当日の朝。前日から興奮しきっていたマリは約束の10時の6時間前に起きていました。
あ、もちろんあのマリのことですから、眠れなかったというわけではありません。
ただちょっと……頭が、ね。


「えっとー今日はあ、デパート行ってえ、デパ地下行ってえ、試食してえ、買い物してえ……」


さてさて約束の10時になりました。

ルイコちゃんは来ない。
マリもいない。……え?

ルイコちゃんが来た! 11時です! ……マリは来ない。


「んもお何やってんのよマリはあ……ピッポッパッ(ぼたん押してるらしい)と……あ、マリ? 今どこよ? え? 『もう約束の場所にいる?』え? 『今あなたの後ろに来たよ』ってキャアアアア!」


いきなり謎のホラー。


「んまあいいじゃん、行こっ」

「うん」


なんでそこ、まあいいじゃんで終わっちゃうかな。

ストーリー上全く不必要なこの物語特有のやり取りの後、2人は仲良くお買い物をしておりました。


30分ぐらい経った時、マリのケータイが鳴りました。


「もっしー。マリですよ。ああヨシ君。わかった」


ぶちっとケータイをきって……スタスタスタ……って、えー。あまりにも不自然なはぐれ方で、作戦を決行したマリちゃん。
しかしルイコは気づいていません。こーゆー人ばかりだからこの作戦は成り立つのですね。マネしないでください。


(よし、作戦通り……大丈夫。きっと成功する! ワリ君はルイコのことが好きなんだか……ら? ……そうだっけ? ま、いいや)


さあ、マリ&ヨシの不自然極まりない計画実行開始です。
< 56 / 86 >

この作品をシェア

pagetop