マリの毎日
「自販機……ここ? あら、マリいないじゃない。もう……」


ルイコはため息をつき、再びケータイを取り出しました。





「なんだよヨシのやつ……」


同じくケータイを取り出すワリ君。





PPPPPP……

5階のベンチに一緒に座っていたマリとヨシのケータイが、同時に鳴り出しました。


「えっ、あれ、ルイコから」

「俺はワリからだ」


2人は目を見合わせた後、恐る恐るぼたんを押しました。


「はい……」

『ちょっとマリ! 今どこよ?』

「あ……あれー?」


マリちゃん冷や汗。ヨシ君の方を向くと「あ……あれ? ワリ、3階の自販機……」
どうやら同じ状況のよう。


「あー……うーんと、ちょっと、歩き回ってみて……」

『はあ? 今どこにいんのよ?』

「残念ながらそれは言えません」

『言えよ』


だんだんルイコの声に凄みがかかってきました。


「あ"-……も"-っ! 頑張れ!」


めんどくさくなったんでしょうか。なったんでしょうね。マリは、唐突にぶちっとやってしまいました。





「……何こいつ……」


ルイコ、ケータイを折れんばかりに握り締めます。
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