マリの毎日
その頃マリはヨシのケータイを無理やり奪っておりました。


「ワリっ!? あのさ、……とりあえず、ちょっと来て!」





ルイコはマリに言われた通り、辺りをぶらついていました。

角を曲がって休憩コーナーへ辿り着いた時……


「……ワリだわ……」


何か、話し声が聞こえてきます。


「え……おお、わかった。おう。で、今マリどこにいんだ?」

(マリ……!? 話し相手はマリなの!?)


ワリは電話を閉じるとエスカレーターで去ってゆきました。


「……マリ、嘘でしょ……?」


ルイコは崩れ落ちます。


「そんな……まさか、マリとワリが逢引きを……!? いやいやいや、落ち着け私……そーよ、マリはそんな子じゃないわ。……でも、だったらどうしてマリはいなくなったの? ワリに会いに行ってるからなんじゃないの?」


ルイコは自問自答を繰り返します。
ごっちゃごっちゃと考えを巡らせているうちに、思考能力がキャパオーバーしてしまいました。


「っっもう! わけわかんないのよっ!」


とうとうぷっつんです。
ああ……ルイコちゃん仮にも女の子なんだから、そんなにどたばた走り回ったら……と、なぜかルイコはエスカレーターに乗って下の階へ降りていきました。

地下は食料品売り場。
……まさか!?


「うがー! ぜーんぶ食べ切ってやるーうーっ!」


試食のヤケ喰いをしています。
こういうやつは公共の場に放置しちゃだめです。良い子はマネしないでね。ほんとに。
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