マリの毎日
「マリ……とにかく」


ヨシは真剣な顔つきのまま俯きました。


「俺はマリの夢を、寝言で全部聞かせてもらった。それで……マリってすげえなって思った。だって……」


おもむろに顔を上げ、へらっと笑って見せます。


「だって、マリって、俺の気持ちをほとんど理解してくれてんだな、と思って!
いやーよくそこまでわかっていながら今まで一緒にいてくれたよ。我慢強いのな。ワッハッハッハッハッハ」


――え"え"えええええええええー!?――


マリはあごが外れんばかりに口を開き、心の中で絶叫しました。外れちゃえよ。


――え"っ!? ってことは、ヨシ君はあたしじゃなくてD組のキーコが好きってこと!?――


てゆーかキーコって誰ですか。


「ってことでー、じゃーなー! 今までありがとうな」


ヨシは手をぶんぶん振りながら去って行きました。


――えっ! ちょっ……待っ……待ってヨシ君! ヨシ君!――


マリは地べたに座り込みます。


――これは現実? 夢? 空想? 妄想? 地球? 宇宙?――


ただでさえいっちゃってる頭が更にこんがらがっていしまいました。宇宙規模。


――何なのよおお!――


ゴツン!
マリのおでこに、痛みが走りました。
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