マリの毎日
『キ――――――――――ン』


その時すさまじいノイズ音が店中に響き渡り、この馬鹿どもとは無関係のお客様方がどよめきました。


『ゴッ』


続けて先ほど同様鈍い音。


『ス――――――――――ッ……』


そしてひとが息をおもくそ吸い込む時のような空気の音。

――やな予感、しませんか。


『ワァァァアァリィィイィィ!』


予感的中★


「ルイコ……?」


そう、耳障りなノイズと共に館内に流れた大声の主はルイコでした。


『あぁんたがねえ! マリを好きでも、あたしはワリがっ、がっ……ひぃっく……必要なのよおっ、ひっく。
大体ちくわの穴の部分は何なわけえ!? キュウリやらチーズやら入れるために空いてるんですかあ!? 穴にまですり身が詰まってたら、あたしだってちくわ派になってたわよおお!

……うっく……とにかくっ、あきらめないもんねー。ひゃはははっ! ワリ……っ……きだよ……っ。本当は別れたくなかった……。
……ちょっとワリィ!? 聞いてんのお!? 返事ぐらいしなさいよおお!』

「やばっ……暴れてる」


いやそれ以前にもうなんか全てがやばいと思います。

ルイコは暴走し続けます。ワリはというと、化石の如く固まっちゃっております。
みかねたマリヨシは、ワリをエレベーターへ引っ張っていきました。
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