マリの毎日
その頃のマリヨシ。


「どうなったかなあ……大丈夫かなあ?」

「大丈夫だよ、きっと」


月明かりに照らされ、憎たらしいほどロマンチックな夜道をゆくお2人。

が、しかし、この小説でそんなロマンチックが長く続くはずもなく。


「……ヨシ君、何か、聞こえない?」


闇に耳をすますと、雄たけびのようなものが辺りに響いている気がしてなりません。


やがて、声は2人の背後に近づき……


「ルイコ!」


マリに、涙で顔をぐっしゃぐっしゃにしたルイコが飛びつきました。


「マリのばかあ……かわいくもないくせにい……」


酔った勢いでの本音でしょうか。
マリちゃん、not美形確定です。


「ルイコ、まだ酔ってるんだ。ありもしないこと言ってるよ……」


ありもしないことですか。そーですか。

対応に困るヨシ君を尻目にマリは、


「ルイコ! ワリ君は、ルイコのことが好きなんだよ! 早く仲直りして! ちくわにかまぼこ詰めてごめんねって言ったら、ワリ君だってきっと……!」

「マリっ……」


よくわけのわからん女の友情、ここに成立。

マリルイは夜道で長く固い抱擁を交わし、涙を流しました。



この後、デパートに苦情が殺到し、この通りには不審者注意の張り紙が張られたことは言うまでもありません。




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