マリの毎日
どうにか無事チョコレートを買って来た……いや、仮にも中2、無事に買って来られない方が不思議ですが、マリに常識は通用しません。

ともかくマリは無事にチョコを買って来たので、ルイコは道具を奪って自ら湯せんを始めました。


「ルイコ、いいお嫁さんになるね」

「マリ、お馬鹿さんになったね」


辛らつな口調は相変わらずのルイコですが、ワリを思って必死にヘラをかき回す姿……から、この恐ろしい表情さえ引いちゃえばイコール乙女のできあがりです。

ルイコ-表情=乙女。



そして、マリがルイコの命令により部屋の片付けやらペットのエサやりなどいわゆる雑用をこなしている間に、ルイコはちゃっちゃとチョコレートを完成させていました。


「すごーい! トリュフだ!」

「マリが台所に近づかないでくれたおかげよ」


ぼそりとルイコ。
何はともあれチョコレートは完成したのです。予想だにしなかった展開でした。




時刻は午後10時。
マリルイは(女の子とは思えないほどのスピードで)身支度を済ませ、がっさり布団に潜り込みました。がっさりって何だろう。


「うっふふっふ、お泊りー」


お得意のにやにや笑いのマリ。


「ねーマリ」

「ん?」

「私たち、復活できると思う?」

「思う」


そっけな。


「でも放送で……」

「ああ、あれ、言い間違いだよ」

「そんなのわからないじゃない……」


ルイコは消え入りそうなほどの声でそう言って、布団を口元まで引き上げました。

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