あの花のように
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11月に入った頃。
「ねえ、最近捺と一緒にいないよね?」
「勉強に集中するためだよ…だから受験終わるまで我慢しているの」
「珍しいね葵が勉強って」
「里奈は勉強できるからいいな~」
「私は“カナリア学園”目指しているからもっと頑張んなきゃ」
“カナリア学園”は超エリートのお金持ちの学校。
「でも、寮制だし遠いし…あまり里奈と会えなくなっちゃう…」
「葵も来てよ」
「私の成績じゃ無理だもん。しかもなっちゃんとK高受けるって約束したもん」
「そっかあ…じゃあ結城と私は頑張るね。」
「うんっ!この後の2者面談で志望校決定だから…ここからが踏ん張りどころだね」
「そうだね…」