恋色涙~君たちの恋~

 目を開けるとそこには薄暗い天井があった。

 体を動かそうとすると

 ズキンッッ!!!!!!!!!!!!

 と言う鋭い痛みが頭を襲った。

 「いたたた…」

 たとうとするが体が動かない。

 あれ?
  
 ビッビッビビッッ!!

 体をみると腕と足はガムテープでグルグル巻にされている。

 な、なにこれ?

 一生懸命体を動かしてねじるがとれる気配がない。
 
 そんなとき
  
 コツコツコツ

 と言う何人かの足音が聞こえてきた。

 だれ?

 「ガムテープとりたいの?さよちゃん」

 一回転するとこうたの同級生の人達が立っていた。

 助けてくれるんだ!

 「そうなんです!助けてくれるんだ!ありがとう!」

 そう言うと彼らは大爆笑し始めた。

 なんで?

 「助けてくれるんだ!だとよ!俺らが捕まえたのに」

 ピキッ

 体が石になりひびがはいった。

 今捕まえたのにって言った?

 「俺らが捕まえたの!さよちゃん!ちょっとこうたに恨みがあってね!」

 そう言って笑いだす彼ら。

 …怖い……

 あの日…

 こうたが怖かった日を思い出した。

 やだ……

 私は床をはってここから逃げようとした。

 ドサッ

 「きゃっ…いた……」

 そのとき、私の上に1人の男の人が馬乗りに乗った。

 「ごめんねさよちゃん。逃がすわけにはいかないんだ。…てか可愛いね」

 そう言って先輩は私の顎を掴み顔を近づけてきた。

 キスされる……

 そう思って目を瞑った。

 でもなにも違和感がない。

 そっと目を開けると

 傷だらけのこうたが立っていた。

 私に乗っていた先輩はダンボールの山に埋もれて気絶している。

 「こ、こうた!傷が……って後ろ!!!!!!!!!!!!」

 こうたに後ろからパイプで殴りかかってくる人がいた。

 こうた!

 ギュッと目を瞑ると……

 ドンッ!!!!!!!!!!!!

 「っだっ!……」

 ドサッと倒れる音がして瞑っていた目をバッと開とそこに倒れていたのは

 「ふぅ……さよへいき?」

 殴りかかってきた相手だった。

 こうたは傷を触っていててなんて言ってる。

 つ、強い…

 よりこうたがかっこ良く見えた。

 
 

 
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