恋色涙~君たちの恋~

 こうたは相手のリーダー的な人を座らせて怒りの満ちた目で睨んでいる。

 先に口を開いたのはこうただった。

 「何の嫌がらせ?さよがなにかした?」

 こうたの声はいつもより2トーン低い。

 座ったままの相手は冷や汗を流しながら懸命に説明する。

 「こ、こうたごめん!俺の彼女がこうたの方がいいからわかれてって言ってきて……なんかこうたにムカついて、こうたの彼女を奪ってやろうと思って……ま、まじごめんな!」

 ブヂッ

 こうたの切れるスイッチが入った音がした。

 「……ねーだろ……」

 「うん?」
 
 私も相手も良く聞こえなくて首を傾げた。

 「さよは関係ねーだろ!!!!!!」

 そう叫んだこうたは真剣で怒りがこもっていた。

 相手はひぃ!ご、ごめん!もうこんなことはしないから!

 といって土下座をして逃げていった。

 こうたはそれを追わなかった。

< 52 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop