Mein Schatz
「香織さんはきちんと服薬できていないし、自傷行為が絶えないのでしばらく入院しませんか?少し落ち着けば治りが早くなるかもしれません。」
外来の日、母がとうとう薬を飲んでないことをばらした。結果こんなことを言われてしまった。
「それでよくなるなら構いませんよ!」
母は医者の言葉にまんまと乗っかって私を入院させた。
「お母さん、嫌だよ。なんでよ。入院なんてしたくないよ。」
「もうね、母さんもあんたが死のうとしてばっかりだから近くにいて疲れたの。だからしばらくほっといて。」
私の入院は母にとってみたら、ただたらい回しにしただけに過ぎなかった。
(また…見放された…)
(こんな私に生きている意味なんであるのかな?)
香織は一人ぼっちになってしまった。もう友達も家族さえ赤の他人に見えて仕方なかった。
香織はさらに荒れた。自傷行為は回数を増し、救急車の騒ぎにさえなった。強制入院になった。