Mein Schatz
ある日、香織はおばあちゃんに胸の内を話した。
いじめのこと、病院のこと、なぜここに来たかも。
「香織ちゃんがいつか話してくれるだろうって思っていたから何にも聞かなかったの。」
するとおばあちゃんも胸の内を話してくれた。
「おじいちゃんが生きていた時、おじいちゃんにしてあげられなかったことがたくさんあるの。もっとああしたかったって今でも後悔してるわ。でも後悔したからって帰って来るわけじゃないから、生きている私ができることをおじいちゃんの分までしたいの。
だから香織ちゃんが来てくれた時はすごく嬉しかった。最初はうつむいてばかりの香織ちゃんがだんだん笑ってくれたからよ。
私は香織ちゃんが無理して学校に行かなくてもいいと思うよ。
香織ちゃんがしたいようにすればいいんじゃないかしら。」