Mein Schatz
それはあずきさんが先生のことを"直樹"と呼ぶからだろうか。
それともあずきさんに明確な目標があることへの羨ましさからなのか。
その時、香織には後者だったようだ。
むしゃくしゃしていた香織は自分の部屋でイライラしていた。
(私だって…)
ドンッ
気持ちを込めて思いっきり壁を蹴ったらなんと穴が開いてしまった。
(えっどうしよう…)
トントン
「体温測りにきましたー」
看護師の山下さんが来てしまった。
山下さんはわりと話しやすい看護師さんではあったがさすがに壁壊したとは言えないしなぁ…
「あれっ?こここんなになってたっけ?」
鋭い…(;´д`)
ここは正直に言った方がいいかも…
「私やりました…。」
「えっ木下さんが壊したの?」
「はい。」
そのあと、先生がすぐに来て診察した。
「どうしてこんなことをしたん?」
先生はすごく怒ってた。
私は思っていたことを全て話したら
「だからって壁壊していいわけやないやろ?」
「うん。」
「自分のしたことをよく考えて。」
それだけ言って診察は終わった。
私はそのあと必死に考えた。
変わるための方法を
(やれることからしてみよう…)
(自分に足りないものは何かな?)