Mein Schatz

カランカラン

「おお、直樹か」

「おお、いつものな」

俺はいつも仕事帰りにここに寄る。

ケイは俺の高校時代の友達で、ここのBarのマスターだ。


「最近どうなん?」


「どうってなにが?」


「唯さんとだよ」


「あー、相変わらずかなー」


「どうせ忙しいとか言って会ってないやないの?」


「まぁそんなかんじ…」


「あんまりほったらかしにしてるとどっかいっちまうで?」


「あぁ…」


俺はそれはそれでもいいと思っていた。

唯が忙しいって言ってばかりの俺に愛想尽かしても可笑しくないし。


嫌いになった訳じゃないけど俺から別れを切り出すのはなんか違うなって思ったり。
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