Mein Schatz
最高の夏
~直樹side~
俺はとても悩んだ。これから彼女とどう向き合い、彼女にどんなふうに接していけばいいのかと。
今のこんな俺は油断すれば"医者"を捨てて"一人の男"になってしまうだろう。
しかし、彼女はあくまでも"患者"だ。
それに彼女と俺は歳も離れすぎている。
彼女にこんな想いがバレたら引かれてしまうかもしれない。
でも、ここで見栄を張ったら一生後悔する気がしてならなかった。
ただ、もっと彼女の笑う顔が見たい。
彼女にとって心の拠り所になりたい。
この想いが叶わないとしても。──
だからこの夏、彼女への想いを押し込めるのではなくせめても一番近くにいてやりたい。
それが今の俺にできることであり、これしかできない。