Mein Schatz
先生の口から"退院"という言葉が出てきた時は思わず泣いてしまった。
そしたら先生は
「大丈夫やで。木下さんはもう一人じゃないから。そうやろ?」
「木下さんが一人ぼっちになることはないで?だって少なくとも俺はおるし」
なんて言うもんだからまた泣いちゃったじゃない。
先生の前では我慢しなくていいと言ってくれた。
"ありのままの私"を初めて見てくれたのかもしれない。
先生を想うたびに"好きになったのが先生でよかった"と思えた。
先生の全てを忘れないように目に焼き付けていた。
それはいつか"思い出"になる日が来るから──