Mein Schatz

──彼女が退院する日


俺は最後に病棟の診察室で診察した。


「退院おめでとう。でも無理だけはしたらあかんよ?」

「うん、でも退院するのはちっともおめでたくないよ?」

「なんで?」

「これを読めばわかるよ。」

と言われて、一枚のルーズリーフを渡された。

「どれどれー」

「あっ今読んでいいなんて言ってないよーっ」

「渡されたら先生のもんやしーっ」

「ぶーっ」


え…?

「そっそうゆうことだからさ!」


と言って顔を真っ赤にして照れ臭そうに笑いながら彼女は診察室を後にした。




【先生が大好きです。大好きでこの胸が苦しくて夜も眠れなくなるほどずっと先生のことを想っていました。】




うそ…。






『俺も』って伝えたかった…。



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