Mein Schatz
~香織side~
退院してから、中学三年生の私は受験勉強に取りかかった。
最初はずっと勉強していなかったせいか、体力がもたなくてしんどかったもののすぐに慣れた。
──次の外来まで頑張ろう。
今は毎日会えていた頃より寂しい気持ちになることもあるけど、なにより先生を想うたびに"頑張ろう"って思えた。
そして、ある目標ができた。
"不登校でも公立高校に受かりたい"
そして、"先生にここまでこれたお礼をしたい"
最終的には"この口で先生に想いを伝えたい"
この願いを叶えるために必死になって勉強した。