Mein Schatz




「あとね、先生…」





「んー?」






「あたし、先生が好き。」






「そやなぁ~あと10年したらまた会えるかもなー」



「じゃああたし頑張るから先生もずっとこの病院にいてね?」




「おう!じゃあな!」



そう言って握手した。



ほんとは抱きしめてあげたかったけどそうしてしまったら彼女の背中を押してあげられない。


彼女がどこまで俺に本気なのかを俺は試しているのかもしれない。



俺はどこまでも最低な男だなぁ…。


「先生、じゃあね!」


そう言って診察室を出ていく彼女の目にはすでに涙が溜まっていた。


このあと泣くんだろうな。


でも、今はその気持ちには答えられない。



君が本当にカウンセラーになれたら、いつかきっと医者と患者の関係ではなく医者とカウンセラーの関係になれるだろう。


そんなことを考えていたら涙が出てきた。



ちゃんと待ってるから…。



"10年後にまたここで会おうね!"



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