Mein Schatz
2章

あれから


~香織side~





──あの約束から1年







香織は桜舞い散る坂を学校に向かって歩いていた。




真っ直ぐな髪を少し巻いて、制服も上手く着こなせるようになっていた。





でも







心はそう簡単に変われないものなのかもしれない。






こんな暖かい春の日には先生のことばかり考えてしまう。







今日は高校二年生最初の日だというのに、思い出ばかりに気が向いてしまう。







(先生…どうしてるかな…)






あの日から一度も先生に会っていない。







でも、先生を想わない日は一度もなかったから…


< 60 / 86 >

この作品をシェア

pagetop