Mein Schatz
──10月
季節はすっかり秋になった。
啓太と香織が付き合って、もうすぐ半年。
香織は啓太の傍にいる理由がわからなくなっていた。
そんなとき
「なぁ、香織。花火しようよ」
と突然啓太が言った。
「花火?この季節じゃちょっと…」
「お祭りの時、ちゃんと花火見れなかったじゃん?だから俺はしたいなぁ…って」
香織は断れなかった。
啓太は何を思ってそう言ってるのかわからないが、きっと断ってはいけないような気がしたから。
「うん!あの神社の近くの公園でしよ?」
と笑顔で返した…