黒薔薇~美しき欲望~
先ほども言ったようにあたしは毎日男の相手をしている。
でもその男たちは皆普通じゃない。
理由はこの繁華街のホストだったり、キャバクラの経営者だったり、有名な若社長だったり、芸能人だったり、組関係者…、しかも上層部とか終いには若頭だったり。
いつかはそこそこ有名な若い政治家もいた。
そんな“普通じゃない”男たちがここに集まる。
理由は簡単。
あたしを抱きたいから。
なぜ抱きたいか。
答えは簡単。
あたしに惚れてるから。
あたしは巧みな手をありとあらゆるとこで使い、様々な男を落としてみせた。
いや、最初は向こうもビジネスとしてあたしに接触してきた。
ここのクラブは繁華街の中でも一番大きなクラブで。
出来た当初から名を挙げていた。
そんなところには人は必ずやってくる。
こんな繁華街のこんなところにやってくる人たちだから、それなりの情報を持っている人が多い。
東西南北全て。
情報は相手の隙をつく絶大な道具。
相手の弱みを手に入れるためにここに来たけど、あたしに選ばれて予想外のことだけど相手して。
抱いたら惚れちゃったってパターンが最初は多かった。
今ではみなさん、男のプライドにかけてあたしに選ばれようと必死になっている。
あわよくばあたしを手に入れて、この中央の繁華街もおまけ感覚で付いてくるだろうという魂胆だろう。
とにかくそんな人たちが出入りするせいでここは繁華街の中枢となった。
今でもここで密かに行われている情報交換により、東西南北の関係が保たれていて。
更には東と西の若頭があたしに惚れてくれ、そこの二つの組はこのクラブに関してだけは手を組み、護衛とかしてくれている。
まぁあたしの後ろ盾には素晴らしいほど強い人がいっぱいいる。
それであたしは中央のトップに、女でありながら立ったってこと。