たゆたうたたか。


「ちょっと、やめて!」

いきなり腕を引かれて、ソファに押し倒された。
毎回思うけど本当に見た目に似合わないくらい強い力で。全く抵抗が出来ない。

「....さく姉って意外と胸あるんだ?」
「....!」

耳元でそう囁かれたと同時に、胸に手を当てられる。

「楓君!やめてよ!」

私の抵抗なんて呆気なく無視されて、そのまま太腿に手が回る。
その途端、急に怖くなってきてしまい自然と身体が震える。

「....あ、」
「怖い?」
「お、願い....やめて」
「じゃあ俺と付き合ってくれる?」

付き合える訳がない。
でも恐怖で言葉が出て来ない。

「ほら、無理なんだろ」
「!やめて....!誰か....!」

服の中に手を入れられた瞬間、叫んだ。
こんな状況まで持って行ったのは自分のせいだ。何てことをしてしまったんだろう。そんなことを考えながら抵抗を続けた。


すると、いきなりリビングのドアが開いた。
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