たゆたうたたか。


「寝てるし」
「ねぇ蓮、毛布ってどこにあるかな」
「何?優しいねお前」
「え!女子力アップ?評価プラス?」
わざと可愛い声を作って聞く。

「いや、マイナスだな」
「えっなんで」
「俺が妬いちゃうから」


腕を引かれて、そのまま深いキス。
エプロンの上から胸に手。
洗剤の香りを思い出す。ピーチの甘い香り。


「ちょっと、お兄さん目の前、」
「静かに」
「も、だめだって、蓮」
「ちょっとだけだから..」



甘い香りが私の身体全体を包む。
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