たゆたうたたか。


「え!?は!?えっと、弟さん!?ごめんね、こんな格好で、ええっと」

急いで口をゆすぐとケタケタと笑う声が聞こえる。

「ふふ、桜さんだっけ?蓮兄から聞いてる」
「あ、そうなの?あ、えっと、今日からよろしくね?」

ここの兄弟達は情報が回るのが早いなーとか思いながらなんだか気の抜けない挨拶をしてしまった。だって....突然すぎるでしょ!?



「あ。今日の夕飯、食べれなくてすみません」
「あ、いいよ!明日の朝にでも食べられるようにしておいたから」
「ほんと?じゃあ明日いただくね」

なんだか不思議な子だなあぁ。
バイト頑張ってるって聞いてたからもっと真面目なタイプを想像してたんだけど、なんだか想像してた感じと全然違う。



「んーと、蓮兄に生殺しにされたんでしょ?」
「は!?いや、えっとーえっとね」
突然の話題に上手く反応出来ない。

「どんなことされたの?」
「いや、えーっと....」

缶チューハイに口を付けて笑いながら話す。うーん。この子は酔ってるのかしら。
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