たゆたうたたか。


「よし。じゃあ行くか。おいで、さくらちゃん」

交渉成立したからか気を取り直して、優しく手招きをしてくれた。
余裕のある笑顔。

なんだかなぁ。
お兄さんって、やっぱり雰囲気あるよなぁ。



リビングを出てすぐ、部屋がいくつか並んである。
蓮と私が使っている部屋は一番端の玄関側の部屋だ。

その隣の隣、要するに一番リビングに近い部屋。
お兄さんはその部屋のドアを開けた。
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