たゆたうたたか。

3.







「あ、さく姉だぁ。おはようございます。何処行ってたの?」


リビングに戻ると、楓くんの姿。
私が用意してた朝ご飯を既に口にしていた。
おはようって。時計を見ると午前10時を指している。意外と時間が経ってたんだなぁ。


「あ、おはよ....ちょっと、その辺散歩してた」

「....ふーん。やけに長いお散歩だったみたいだね?」


こっちをじいっと見つめて、なんだか意地悪そうに笑ってる。
あの場所であったことはなんだか話す気にはならなかったので、とりあえず目を逸らそうとか思うんだけれど。

やばい。
なんだかドキッとしてしまう。

昨日のことが急にフラッシュバックする。


私。楓くんと。


「急にバイト昼からになっちゃってさ。予定より早起きしちゃった。ごちそーさま。」


そう言いながら朝ご飯、完食。
楓くんもやっぱり、食べるの早い....。



いやいや!


そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!?


昨日は驚いて放心状態になっちゃったけど。
問い詰めないと。
なんであんなことしたのか。
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