♔タカラモノ♔
雨の日
それは突然降ってきた。
テレビで見た天気予報は晴れだったのに。もう信用しないと思った瞬間だった。
「どうしよう。傘持ってないや」
雨が降るなんて聞いてない!
天気予報大ハズレ。
佳夜は頭にタオルを被せ、雨の中走り出した。
帰り道に神社がある。
とりあえずここで雨宿りしとこうかな。
細かい雨が降っている。
神社には人はいなくてとても静かだった。
空を見上げじっと止むのをまっていると
、遠くから走る足音が聞こえてきた。
誰だろう…。
神社の人かな?
その音はどんどん近くなっていく。
そしてそこに現れたのは同じ高校の制服を着た男の子だった。
「あ」
その人は佳夜に気づき、立ち止まる。
「同じ高校だ」
佳夜を見つめてそう言った。