♔タカラモノ♔
晴だ…。
少し遠くにいたけどあたしはすぐに晴だと分かる。
晴がだんだんと近づいてくる。
…気づいているのかな。
「佳夜」
気がつくとすぐ隣に晴がいた。
うわぁっっ
びっくりしたあ…。
どうしよういま顔赤い。
ん?なんで赤いの?
わかんない。
心臓が跳ね上がる。
「んな?廊下でよく見かける」
晴は何故か満面の笑みを浮かべていた。
すごく柔らかい笑顔。
どうしよ、直視できない…
「は、晴は何組なの?」
「俺2組」
なんだ、クラス遠いんだ。
「ねえねえ佳夜、付き合ってんの?」
舞が発した言葉に反応ができず一時停止。
けれど、
「んなわけねえよ」
晴は迷いもなくそう言った。