♔タカラモノ♔




「付き合ってねーのかよ!」


晴の同じクラスの神木(かみき)君も言う。



そうだよ。迷う必要なんかない。




でもあたし、どうして言葉に迷ったんだろ。






期待してた?



いやいや、そんなはずない。






「舞ばかだなあ〜。晴の存在しったのつい最近だよ?」





「俺は結構前から見かけたけどな!」




晴は笑ってそう言った。




それにつられてみんなで笑う。





それから晴はよく六組に来るようになり、もっともっと仲良くなった。





「佳夜さあ、素直になりなよっ」



「え?」




「本当は晴のこと、どう思ってんの?」





仲良くなっていくにつれて、友達として好きとは違う感情が自分にあることは薄々気づいていた。






だけどその感情を表には出さずにずっと押し殺してきた。






もっと仲良くなりたい。




ただひたすらにそう思っていた。











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