ブルーローズ
でも芸能記者に追いかけられたり付きまとわれたりして、とうとう陽希の仕事にまで支障が出たらしい。結局休みどころではなくなった。

ちぃさん曰く「因果応報」だそうで。

陽希には相変わらずのスーパードライっぷりだ。

でも彼女が誘ってくれなかったら、死ぬ気で頑張って取った私の2連休が何の予定もない、間の抜けた休みになるところだった。


ちぃさんから電話が来たのは今日の午後のこと。

何もする気になれなくて、部屋でグダグダしている時に『パジャマパーティしましょ』なんて唐突だけど彼女らしい。

セレブのちぃさんにはこんな敷居の高いホテルさえ馴染みのホテルみたいで、何も要らないから体一つでいらっしゃいと、招待された。

持つべきは女友達、かぁ。

いつの間にかウトウトしていた私は、エステティシャンのお姉様に軽く揺すられて現実の世界に戻って来た。

か、体が軽い……。

私は、焦点の合わないホワンとしたままの顔で辺りを見回す。

「やだ、ミッチー呆け過ぎ」

優雅にハーブティらしきものを飲むガウン姿のちぃさんは、呆れた顔をした。

「いや、寝てたかも」

「何言ってるの。ミッチー爆睡してたわよ。ググー」

「そんなに品良く、イビキを掻く真似しないで下さいよ」

エステティシャンのツルツル美女達は、そんな私達を見て微笑む。

……恥ずかしい。

30過ぎた女が半裸で、掛け合い漫才状態なんて。

私は赤面しながら、フワフワのバスローブを羽織った。

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