ブルーローズ
自分の蒔いた種とは言えど、まだ将来を上手に描けなかった時代(ころ)のこと。

……いつもみたいに強気でいてよ、ハル。


「今度、温泉リベンジしよ? いつになるか分らないけど、また休み合わせて。……ハルと2人で行きたいの」

私が耳元で囁くと、陽希はふんわり微笑んでから何度も優しく私の唇を食んだ。

陽希の唇で私の体に熱が宿る。

こんなに陽希を欲している自分がくすぐったい。

さっきまで漂っていたブルーな気分が吹き飛んだ私って、なんて現金なんだろう。


「……キスだけじゃ足りない」

陽希の言葉が私の心とクロスした。

「俺の所為でツルツルになった美知佳さん、貰っても良い?」

ああ、もう。そんなこと聞かないで。


いつもより余裕の無い陽希とソファの上で愛し合い、ゴージャスなベッドルームの存在を思い出したのは、もっと時間が経った後だった。



私達は確め合う。

その唇で、その指先で。

ずっとずっと、あなたしか見えないように。



-- end --



























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