あの日、君に伝えたかった
ガチャガチャガチャ・・・!
私が夜斗の体温に包まれている時、聞こえた音。
思わず体がビクッとなる。
気が付いた夜斗は、私を強く抱きしめた。
「よ・・・よるっ・・・」
「大丈夫ですよ、メイさん。
安心してください」
「ほ、ほんと・・・う・・・・?」
私が呟いた途端、大きな物音と共に、扉が開いた。
すぐに夜斗はポケットに入っていたボタンを押す。
パッと電気が消える。
じゅ、準備が良いな・・・。
「~~~~!?」
扉を開けた人物が何かを叫んでいる。
そのうちに、私は人生初のお姫様抱っこされた。
あの細い腕に、どれだけの力があるのだろうか?
夜斗は私を落とさないよう抱きかかえたまま、どこかへ向かって歩き出す。
しかも音が出ないから、不思議なものだ。
私はそのまま、意識を手放した。