あの日、君に伝えたかった
目覚めると、すぐに見えたのは、夜の空だった。
久しぶりに見た空は、どんより曇っていた。
横を見ると、夜斗が私を守るようにして横たわっていた。
眼鏡の奥の瞳は、閉じてある。
睫毛が長くて、二重で。
道端を歩く女性よりも美しいよ。
でも・・・。
やっぱりこうした無防備な姿を見ると、
やっぱり夜斗も、
まだ未熟な未成年なんだね。
私は起こさないよう、その黒髪をなでた。
私じゃあなたの力になれませんか?
私じゃあなたを闇から救うことは出来ませんか?
私は、無力ですか?
でもね私は、あなたのことが、好きなの。
その笑顔、その優しさ、そのぬくもり。
私はあなたの、全てに恋している。
大好きだよ、
夜斗。