あの日、君に伝えたかった
「んっ・・・」
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
ゆっくりと、その瞼が開く。
綺麗な黒目に、私が映る。
「いえ・・・大丈夫です」
「そう?
なら良いんだけど。
夜斗、私夜斗のこと、大好きだよ」
「ボクもメイさんのこと、大好きです」
そのまま私たちはキスを交わす。
「にしても夜斗。
あの人は一体誰だったの?」
「さぁ・・・」
「私たちがいたあの倉庫らしきものって、簡単に部外者が入れるの?」
「入れるはずありません。邪魔者はいりませんから」
「だよね・・・」
どうやってあの人は、あの倉庫らしきものを見つけたのだろう。
夜斗の警備は完璧なはず。
夜斗を上回るハッカーの仕業?
「ところで夜斗」
「何ですか?」
「ここ、どこ?」
私たちが今いるのは、人が1人も通らなそうな、光を遮断した森の中。
見渡す限り、木ばかりだ。