あの日、君に伝えたかった
メイさんは自由を得るため、勉強をやめた。
学校も進学校から馬鹿校へ転校した。
ずっとエリートコースのご両親が、それを許すはずなかった。
メイさんは、家族とそれ以来会話をしなくなった。
家と言うのは普通、心が休まる場所。
しかしボクやメイさんに、その理屈は通じない。
メイさんは家へ帰ってもやることがなかった。
携帯電話は料金を払えないためとめられた。
バイトはしてはいけない学校だったし、メイさんのご両親は料金を払わなかったから。
パソコンは持っていなかったらしい。
家に帰ってすることは勉強だけ。
メイさんは勉強し続けた。
そのため、頭は良い。
ただ覚えるだけで役に立たないけどね。
メイさんは進学校からの転入生で、転入当時から学年1位の成績を維持していたから、浮いている存在だった。
その上メイさんは口下手で引っ込み思案。
友達なんていなかった。
孤独だっただろうね。
愛されず、愛さず。
信じず、信じられず。
だからメイさんをボクはこう、監禁した。
メイさんのためになると思ったんだ。
ボクも幸せになれる。
メイさんも幸せになれると、信じていたんだ。