あの日、君に伝えたかった




「夜に会ったから、夜斗」

「た、単純な理由ですね」

「そうなんだけどね。
駄目かな、夜斗じゃ」

「ええ、良いですよ。
良い名前じゃないですか」



クスクス私たちは笑いあった。




その時だった。



「メイっ!」



夜道に響く、高い声。



「ママっ!?」

「あんた一体何しているの!?
こんな汚い子と一緒にいて!」

「ママ、違うの!
夜斗は関係ないの!!」

「こんな子気味悪いわ。
警察に連絡しましょう」

「ママっ!!」



私が叫ぶも、ママは警察に連絡した。

まもなく、警察が来た。



「ぼく、お名前は?」

「・・・夜斗」



夜斗は私の名付けた名前を使った。



「名字は?」

「ない」





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