あの日、君に伝えたかった
5
☆☆☆
「ん・・・?」
「メイさん?」
「・・・夜斗」
私はまだ重たい体を起こした。
「大丈夫ですか?」
「うん・・・大丈夫。
ねぇ夜斗。私思い出したよ」
「何をですか?」
「夜斗が、あの時私がパンをあげた男の子だってこと」
私が夜斗を見ると、夜斗はふっと笑った。
「ボクはあの時からメイさんに恋をしたのです。
今にも死にそうだったボクを、メイさんは助けてくれた。
ボクはメイさんのおかげで生きているんです。
そして同時に、メイさんに恋をした。
別れ際、ボクを見て泣きそうな顔をしたメイさんに」
「私もね、ずっと会いたかったの・・・」
「愛しておりますメイさん。
今も昔もこれからも」
じゃあ、夜斗、教えてくれる?
「夜斗の全て・・・」
「・・・1度しか言わないから、よく聞いてくださいね?」
「うん!」