あの日、君に伝えたかった
ある時、ボクは法律違反のクスリを扱う組のアジトに潜入した。
6歳の時だ。
そしてボクは組長らに正体を見破られ、拳銃やナイフで手足を切られ、服を切られ、殴られた。
ボクは思わず逃げ出した。
組織には帰らず、知らない街へとやってきた。
大雨の中、ボクは店と店の間に座りこんだ。
このまま死んでしまおうかな・・・?
そこで出会ったのがメイさんだった。
メイさんはボクに優しくしてくれた。
しかしアッサリ引き離され、ボクは警察に連れてかれた。
警察はボクに虐待の疑惑があるとして捜査していた。
両親は死んでいるし、まず戸籍がない。
だからボクが一体どこの誰なのかわからなかったはずだった。
でも、警察はボクが誰だか突き止めた。
ボクをよく知る、ボスが逮捕されていたからだ。
ボスはボクのことを包み隠さず話し、ボクを生かしてほしいと頼み込んだ。
ボクは養護施設に送られた。
施設ではよく本を読んだ。
そして、世間のことを学んだ。
ボクは8歳にも関わらず、高校卒業レベルの問題が解けるようになっていた。
そんなボクを、引き取りたいと言って来た人がいた。