あの日、君に伝えたかった





突然ボクの目の前に現れ、養子にしたいと申し出た人物。

彼ら・・・成宮(なるみや)夫妻は、その辺で大きく有名な成宮総合病院の院長とその夫人だった。

たまに来ていた成宮夫妻の息子で、跡取り候補の遼光(りょうこう)も、ボクを引き取りたいと言っていたので、

ボクは成宮家の養子になることが決定した。



ボクは夜斗という名前を勝手に変えられ、成宮遼明(りょうめい)と名前を変えた。

夜斗という名前を消され、ボクはイラついたけど、兄さんがボクをメイと呼ぶから、気に入った。


メイさんと同じ名前だから。





ボクは成宮総合病院の第2跡取り候補として生きた。

毎日医学部へ入るため勉強し、病院で父さんの後を追い、兄さんと学んだ。




父さんと母さんは、ボクが全国小学生一斉テストで毎回1位を取っていると、ある1人の患者さんから教わり、是非跡取り候補に迎えたいと言って来たのだ。


他にも従兄妹とか跡取り候補はいたらしいが、兄さんがやはり優秀だということで第1跡取り候補として今まで勉強してきた。

でも、突然ボクが現れ、跡取り候補になったんだ。

兄さんは、ボクを恨んだ。




「メイがいるから、父さんは僕を正式な跡取り候補に出来ないんだ。
どうしてお前が父さんと母さんに気に入られる?」

「そんなの知らないですよ・・・」




ボクは兄さんが父さんと母さんが見えない所で色々悪口を言うのに耐えられなかった。

ボクは勉強をやめた。

父さんと母さんは心配した。

でもすぐに、兄さんだけ可愛がり始めた。





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