あの日、君に伝えたかった
メイさんのお母さんは、メイさんの方なんて見向きもせず、家の中へ入って行った。
目なんて合わさない。
まるで、メイさんが空気のように扱った。
暫くメイさんは立っていたけど、諦めたように家の中に入って行った。
ボクは、メイさんのことが知りたいと思った。
ボクはメイさんに助けてもらえた。
ボクが今生きているのは、メイさんのおかげ。
じゃあ、ボクが恩返しをしてあげよう。
ボクは部屋でパソコンに向かった。
通販サイトを開き、盗聴器や小型カメラなどを購入した。
学校を休み、メイさんの家へ向かった。
お父さんらしき人物、メイさん、お母さんの順に出て行く。
誰もいなくなったことを信じて、ボクはメイさんの家に侵入した。
生気のない、静かな家。
少なくとも、ここで楽しい会話は出来ないだろう。
ボクはメイさんの部屋を探し出し、盗聴器とカメラを仕掛けた。
多分これ、いけないことだ。
でも、メイさんをこのまま孤独にするわけにはいかない。
ボクと同じ気持ちを、味わってほしくない。
ごめんねメイさん。
ボクは狂った愛情表現しか出来ないみたいだ。