あの日、君に伝えたかった
家に帰り部屋に閉じこもり、盗聴器を作動させた。
『・・・っく・・・・ひっく・・・・』
聞こえたのは、小さなすすり泣き。
誰にも聞かせまいとしているようだった。
どうして・・・泣いているのだろう。
ご両親に、何かされたかい?
『勉強なんて、したくないよぉ・・・!』
勉強?
あぁ・・・メイさんの家はエリートとして有名だもんね。
メイさんもエリートになれって言われているのかな?
ご両親か?教師か?
メイさんを追いつめているのは。
「おいメイ。何をしている!」
「に、兄さん・・・」
慌ててイヤホンを隠す。
ノックぐらいしろよ。
「ざけんなよ、てめぇ」
「な、なんのことですか?」
「しらばっくれるな!!」
そう怒りながら兄さんが投げてきた紙。
ボクの顔に命中した。