あの日、君に伝えたかった
★メイside★
「これが、全てです。
軽蔑しますか?ボクのこと」
「ううん、軽蔑なんてするわけないじゃん」
ますます大好きになったよ。
私のこと、こんなに愛してくれるなんてね。
感動しちゃったよ・・・。
「メイさん、あなたのことを愛しています」
「私も、夜斗を愛しているよ」
話を聞いていて疑問がわいたので、聞いてみよう。
「漫画とかDVDに書いてあった名前は何?」
「兄さんはよくモノに名前を書く人でして。
ボクのモノにも名前を勝手に書いていたんです。
でも、成宮遼明はボクの名前じゃない。
夜斗が、ボクの名前なんですよ」
「だから書き直したのね?」
「はい。
大好きなメイさんがつけてくれた名前でしたから」
ニコッと笑った夜斗は、私の目の前にパンを出した。
あの日・・・私が夜斗にあげたパンだ。
「前に買い物に行ったときに見つけたんです。
おじさんから敷地をもらって、小屋を建てた後にね。
食料を買いだめしておこうと思いまして」
「ははっ、準備良いねー」
私たちは半分こして、パンを食べた。