あの日、君に伝えたかった




慌てながら夜斗を見ると、少し哀しそうな顔をしていた。

あっ・・・。



『兄さんは誰からも信頼されています。
兄さんの言うことは絶対なんです』



夜斗が言っていた・・・。

お兄さんには、敵わない。




「夜斗・・・」

「メイさんは心配しなくて良いですよ。
ボクがなんとかしますから」


「なんとかって、どうやるの?」


「大丈夫、メイさんは守りますから」

「本当・・・?」

「ええ、本当です。
ボクを信じてください」

「・・・うん!」



夜斗は嘘をつかない。



「心配するな嬢ちゃん。
ケーサツが追うのはおれっちだ。
おれっちがケーサツに追われる隙に逃げろ。
ナイトも嬢ちゃんもおれっちが救うから」

「ボスさん・・・ありがとうございます!」



ところで。



「ナイトって、夜斗のことですか?」

「そうだぞ。
知らなかったのか?こいつの本名を」



夜斗の本名?




< 45 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop