あの日、君に伝えたかった
2
それからというもの。
私は一日中何もせずに、夜斗と過ごした。
夜斗の話は面白くて、私は凄く笑った。
笑いすぎて、涙が出たほどだ。
夜斗といるだけで、私はほっとした。
頭をなでられると、凄く安心する。
「夜斗、私夜斗がいるから今幸せだわ」
「そう言ってくれると、ボクも嬉しいです。
愛していますよ、メイさん」
私は時々、テレビをつけた。
ニュースをよく見た。
もしかしたら、私の捜索願が出ているかも。
あの両親も、私のこと探してくれるかも。
夜斗といるのは勿論幸せだけど、こんな狭い所でなんて、少しだけ気が狂いそう。
私は普通の人と違うらしいけど。
今は正常なんだから。
戻りたいという気持ちがあるの、少しだけ。
でも、ニュースは政治のことばかりで、私のことなんて取り上げていなかった。
一度だけ、夜斗に頼んで、私の捜索願が出ているか調べてもらった。
夜斗は実力も経験もある、ハッカーらしい。
夜斗は警察のパソコンにハッキングし、情報を調べた。