あの日、君に伝えたかった
夜斗は私を愛してくれた。
夜斗は私を必要としてくれた。
夜斗は私を見てくれた。
夜斗は私の傍にいてくれた。
夜斗は、凄く不思議な人だ。
私と同い年ぐらいだと思うのに、学校へ行かず、私の傍にいてくれる。
夜斗もきっと、心の中に闇を抱えているんだわ。
私の知らない、大きな闇が。
「夜斗、あなたには何か秘密があるの?」
「秘密、ですか?
さぁ・・・どうでしょう?」
「あなたには疑問が多すぎるの。
あなたは誰なの?
本名は何?
漫画やDVDに書いてあって、消されてしまった名前は何?
それがあなたの本名なの?」
「ボクの本名なんて、知らなくて良いんです。
そんなもの、必要ありませんから。
ボクは夜斗です。
それ以外の名前はありません」
名前の話題になると。
夜斗は凄く、哀しそうな表情をするんだ。