後輩に惚れた先輩~ドS後輩に惚れた弱み~

「あ、ハル先輩!」


運が良いのか、悪いのか。
教室に向かう途中にハル先輩に会ってしまった。



H「あ、えーっと...ごめん。誰だっけ」


「えっ..あ..なんでもないですっ」


Y「あ、待ってよマキ!」



あたしは、ショックでその場から逃げ出した。



...先輩があたしを覚えてない..
まぁ、それもそうだよね..



なんたってあたしはハル先輩に一目惚れしたんだもん。
入学したての頃。


ベタだけど、席順の紙を落としちゃって、それを拾ってくれたのがハル先輩だった。
あたしは一目惚れしちゃったから、なんとかして先輩と仲良くなりたいって思って..


委員会も、体育会の種目も、なれるものなら全部一緒になった。



そのたびに先輩は、


"「あ、今回も同じだね^^」"


そうやって笑いかけてきてくれた。
だから覚えてくれてるって..本当に嬉しかったのに。




Y「ちょっと待ってよマキ!」


「ユミコ...先輩..あたしのこと忘れてた..ッ..」


Y「一瞬だったからわからなかっただけだって!下向いてたじゃんマキ」


「だって恥ずかしかったし..急だったし..」


Y「そんなんじゃ誰かなんかわかるわけないでしょ?」


「ユミコ~...」




だとしてもあたしにはショックが大きかった。
..でも、あれじゃ印象悪いよね..


いつか会ったらちゃんと挨拶して、もっと仲良くなろう!


「ユミコ、あたし絶対ハル先輩諦めない」


Y「いつまで続くかな~」


「絶対続く!」


Y「なんてたって、マキは熱しやすく冷めやすい!だもんね」


「ハル先輩は本気だから」


Y「何回それを聞いたことか...^^;」


「大丈夫だって~~」



熱しやすく冷めやすい。
まさに、あたしの恋愛性格。


でも、あたしにしてはハル先輩は本当に長い。
だって1年だよ?1年!


片思い1年なんて初めてだし。



今回は自信ある!彼女説なんか知らない!!



「あたしが彼女になる!!」


Y「なれるもんならなってみそw」


「まかせてよ!」



...って、口だけなのもあたしの悪い性格。


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